鶴間秀典オフィシャルサイト

視察研修レポート
 

H18 春季単独道内視察

平成18年4月30日(日)〜5月8日(月)
釧路市議会議員  鶴間 秀典

4月30日(日) 曇りのち雨 阿寒湖から千歳
 今日は朝、釧路を出発。途中、音別にて、マグニチュード7パネル館と音別学園に寄りました。十勝沖地震の激しかった様子を改めて認識。音別学園は日曜で休館。
 その後、広尾にて中川一郎記念館を見学。田舎にすごい人だね。天馬街道を抜け、浦河へ。JRA育成牧場とAERUというホテル付ホースパークを見学。カーボウイの血が騒ぎました。
 新冠町の道の駅サラブレットロードとレコード館の複合施設を見学。新冠町ではレコードの町として、100万枚のレコードを集めている。ゆっくりとレコード演奏を聴けるホールなどもあり穴場スポットという感じですが、運営は厳しそうでした。鵡川町の道の駅四季の館にも寄りました。温泉、ホテル、プールにトレーニング施設などなど、町の新しいつどいの場所という感じでしたが、国道から入りにくく、どうでしょうか。
 今日は太平洋側の馬産地を通過しましたが、馬って儲かるのかな、と感じました。ただ、馬を競走馬として育成していくには、大きなトレーニング施設や騎手の養成所なども必要で、競馬頭打ちのこのご時勢ではなかなか新規参入は難しいでしょう。
 
5月1日(月) 曇りのち雨  千歳から札幌
 千歳市役所訪問
 9時に千歳市役所を訪問し、まずミニ公募債の説明を受けました。0.29%と現在の市場金利約0.5%と比べるとすごく金利も安くて、大いに利用できるのでは、と考えていましたが、実際は利息などの支払いの際に銀行に払う手数料や公募債をPRするためのコストなどを計算すると0.8%ぐらいにはなってしまうということです。「メリットとしては自分の財産が少し町に貢献している」という市民参画の意識が高まることだそうです。
 その後、グリーンツーリズムと農村再生特区についてお話をしました。グリーンツーリズムでは、「農村滞在型余暇活動機能整備計画書」という農地法の規制緩和のための市町村計画を千歳市では作成しています。これは農地ゾーニングすることによって、その中に農家レストランや農家民宿、体験施設などを建設しやすくする特区です。なかなか手間がかかりそうではありますが、今後の先進事例の進捗状況を検証していく必要があるでしょう。農村再生特区については、説明を聞いた後実際に現地まで行ってみましたが、上水道と舗装道路などのインフラは整っていますが、値段設定が10アールで490万円台と周辺より少し高いこともあり、58区画中14区画しか売れておらず、まだまだこれからという気がしました。しかし農協が販売していることもあり、16区画売れれば原資は回収できるということで、採算という部分ではなかなかの事業ではありますね。
 
 伊達市役所訪問
 伊達市ではまず、団塊世代を対象とした移住計画の柱である、「ウェルシーランド構想」を説明していただきました。北の湘南というキャッチフレーズで気候の良さをアピールしており、いろいろとメディアで取り上げられ、見た目には派手ですが、内容は地道な地元の連携、つなぐ、という作業を行政が担い、それに呼応するように民間が手を結び、そのことが企業の誘致を呼び寄せ、中身は民間主体で進めている、という感じでした。お金をかけずに柱をつくり成果を得る、まさにこれこそ行政のあるべき姿であると思います。また、その中で行っていた、ライフモビリティーというITを使ったお年寄りのコミュニティーバス実験はまだ利用者が少なく、2600万円の経費に対して100万円の収入という具合に大赤字でした。利用者からの(電話、FAX、メール)連絡を委託されたIT会社で取りまとめ、タクシー会社に連絡する。いいことかもしれませんが、実際にはかなりな経費がかかっています。これも民間でできればいいのですが。
 次にアダプトプログラムという事業について説明していただきました。これは日本語に訳すと養子縁組の意味で、実際には、3%公園などを住民が自主的に清掃を心掛ける、それに対して行政が清掃に使う道具を貸し与える、というものです。ここでもお金をかけない工夫が盛り込まれていました。また、伊達市にはすごくリーダーシップを持った町内会長がいるようで、その人の発案することを行政がお金をかけずに手助けしており、枯葉の堆肥化や子供の登下校の時間に合わせて散歩してもらう、などの活動をしている。その町内会がいい見本となり市全体に波及してきている、ということである。町内会単位でのリーダーの育成は重要なことですね。必ずやるべきだ。
 その後、伊達市と昨年合併した大滝村で進めていた「バイオマスタウン構想」を施設の見学もかねて説明いただきました。この事業は農林水産省の事業で、行政が事業主の場合は2分の1を国費補助しています。説明いただいた金子課長がとても生き生きとしていたことが印象に残っています。その構想の中で、雪氷熱利用で11uの室を作って野菜を保存しています。また、木質バイオマスとして間伐材などからペレットを作り、ペレットストーブを役場内で利用していました。ペレット製造機も300万円となかなか安いもので、ペレットも1kg45円で燃焼効率も1時間1.1kgの消費量で暖かいストーブがたけるということでした。ただ、現在ペレットストーブは1台28万円と少し高めで10万円台になってこないと普及してこないのではないかと感じました。また、堆肥化センターもすごいもので、EM菌を使った撹拌型生ゴミ堆肥化機を使っており、1日3トンを処理できるというものでした。外側の家畜糞尿を堆肥化する場所も含めて建設費3億円、維持管理は地元で組織したNPOに2200万円で年間委託している。生ゴミは地元ホテルと民家などを中心に年間1000トンを同一の生ゴミ用ゴミ箱を用意し無料で回収しており、できた堆肥は1t2500円で販売している。家畜糞尿は6戸の農家から年間2000tを無料で回収しており、できた堆肥は1t1500円で販売している。驚いたことに家畜糞尿は野積みしてあるが、EM菌入りの飼料を食べさせているのでほとんど悪臭は感じなかった。聞く話によると、牛の体調もよくなるようである。また、乾燥用にホテルから出る廃油や建設業者などからの鉱油を使っており、リサイクルを徹底している。コスト比較すると1t約17000円の焼却処理とあまり変わらないが、住民の環境意識の向上はめざましく、若干ながら雇用も生まれている点が全く違う。土に返すという流れは古いようで新しい自然の流れであると私は確信した。リサイクルは楽しい住民も夢を持てる、そんな気がします。
 
5月2日(火)  晴れ  札幌
 午前中にクリーンウォークで助成金をいただいた秋山記念財団の理事長にごあいさつ。その席で大滝の堆肥化センターをプランニングしたK&Kという会社の石川社長を紹介してもらい面会。午後から札幌チャレンジドという障がい者がITを活用し、収入を得ていこうとするNPO法人を見学しました。開始当初からいる佐藤相談員の熱心な話を聴きました。2000年度から始め、ずっと赤字で苦労したが、ボランティアや利用者自身に支えられてやっとNPOとしてやっていけるようになってきたというお話でした。常勤者5名、会員800名、協力会員400名。現在年間約3000万円の収入で、国の障がい者就労支援事業や地域支援センター事業を受託しており、その他、テープおこしやHP作成、チェック、IT講習やユニバーサルデザインのHP作成などの新規の事業も柔軟な発想でみんなで開拓しているということでした。ITに関する講習会を見学しましたが、講師は肢体障がいを持つ方で、受講者は6名(お年寄りや知的障がいなどの方)、サポート1名。講師は交通費込みで5000円の謝礼をもらい、受講者は2時間半で1300円を支払っている。障がいを持つ方はその謝礼と障がい者年金で生活しているらしい。
 チャレンジドが発行している地域通貨チャレは当初ボランティアへの謝礼として「何か気持ち的なものをあげたい」という思いから始まっている。流通を目的としておらず、100チャレで500円、換金はしていない。年会費1000円に対して200チャレが送られたり、講師料の代わりに交通費+100チャレというふうに発行しいる。会員などの店や農家などで使える。食堂などの単価の安い場所では100チャレで50円の割引券10枚と交換できるなど、使わせてもらっている、という感覚。行き詰っていることが多い地域通貨の中で長く続いているのはこのためかもしれないという感じがしました。収入を得る、という障がい者自身の気持ちが重要だと私は感じました。
 
5月8日(月) 晴れ 東川町
 東川町役場を訪れるとすぐに歓迎をうけました。というのも、ここの東川町議会には私の叔父にあたる、鶴間松彦が現役議員として活躍しているからです。町長と助役と議会事務局長、議長という感じで2時間ぐらいお話をいただきました。本当に感激です。その後、議会事務局長の前任課が幼保一元化の担当課長だったこともあり、局長にお話をお伺いしました。
 幼保一元化は特区ありきの政策ではなく、以前から東川町の計画の中で進められていたことに対して特区を申請したということです。特区申請にあたり、国との折衝の中で味わった挫折や国の縦割り行政の問題点なども含めての苦労話や東川町的教育方針「分けへだてのない教育」などをお伺いしました。サービス面では、入園前児童に対応できる子育て支援センターや休職を自給していること、早朝保育(7:30〜8:00)、基本保育(8〜16時)、時間外保育(16〜18:30)、延長保育(18:30〜19)などが利用できるようになり、父母にも喜ばれているそうです。経費面では、ただ単に幼稚園と保育園の施設を一つにしたからといっても国の規制が両方から働くので、園長と施設長がいるという具合ですので、減少はせず逆に増加してしまい、一人当たり30万円、合計6000万円を一般会計から繰り出している、とのことです。国からの補助は、幼稚園児に対して27万6千円、保育園児に対して22万3千円と差があります。幼稚園教員免許と保母さんの免許の両方が必要です。今後は条例の一本化や民間委託も視野に入れながら展開していくそうです。もうちょっと国のほうで幼保一元化を進めてくれないとまだまだ難しいといった感じですかね。
 もう一つ、東川町の職員の発想からすばらしい行政サービスが生まれていたので聞いてきました。それは、婚姻届と出生届をただ単に一枚の規定用紙に書き込むのではなく、思い出が残るようにステキな冊子をデザイナーと共同で作成し、実際に役場に届け出てくれた方に差し上げている、というサービスです。まだ始まって半年なので具体的効果は出ていませんでしたが、発行数は明らかに増加しているとのことです。この効果として期待されるのは、東川町以外の人でも申請できるので、他地域の人が東川町に特別な思い出を持ってもらえることや、将来離婚のピンチが訪れたときにこの婚姻届を開くことによって難を逃れ、離婚率が減少する、ということです。私は何より、行政職員が日常の業務の中の一つのことに対してこういう発想ができるというのはすばらしいことだな、と感じましたし、本当に近年まれにみる心温まるサービスだな、と思いました。
 東川町の職員は口々に「住民のために」と言っていましたし、「他の職員の協力があったからできたことです。」などといった具合に、心から人のためを思って仕事に臨んでいるんだな、と私は感じましたし、職員がそういう考えを持って仕事ができるようにしている町長はすごいと思う。できるなら私もそういう首長になりたい。